2011/10/01

ポアンカレ予想の証明(2)

ポアンカレ予想の解決に関する本をまた読んだ。ドナル・オシアという米国の数学者による『ポアンカレ予想を解いた数学者』である。


数学者の書いた本だけあって、ポアンカレ予想の数学的内容についてかなり詳しく説明してある。
また、ポアンカレ予想が生まれるまでの数学の系譜に関する記述も長く、ユークリッド、リーマン、クライン等の業績や人となりについても触れられている。

かつ、それぞれの時代の数学をとりまく社会的・制度的環境についても記述されており、かなり興味深い点が多かった。
例えば40歳になる直前に亡くなった夭折の天才リーマンは、貧しい牧師の家に生まれ、病弱だったが、神学から数学に転じ、多大な業績を残した。彼は、極端に内気で、礼儀正しく、高潔な人物として描かれている。

ポアンカレ予想の証明を含め、この本の中に記述されている数学的内容は、やはり難しい。
ただ、分かりやすく書こうとした著者と、特にその難解な内容の翻訳に挑んだ訳者に、敬意を表したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿