2011/04/29

大震災と研究倫理

東日本大震災は、全ての研究者にとって重大な関心事である。
災害研究者のみならず、広く自然科学・工学・医学・人文社会科学のあり方に大きな影響を与えるからである。

多くの研究者が現地入りして被害調査等を進めている。
研究者としての責任を果たすために、時間を惜しんで調査研究を進めている研究者が多いと思う。

だが一方で、現地での研究者の活動に関する倫理が問われる場面もある。
例えば、心身に傷を負った被災者に対して、みだりにインタビューやアンケートを行い、被災者の傷を広げてしまうような場合がみられるようだ。
このようなことを危惧し、日本精神神経学会は緊急声明文を出して、こうした倫理的規範を外れた研究活動を戒めている。

http://www.jspn.or.jp/info/2011_03_11info/info/2011_04_20jspnkinkyuuseimei.pdf

研究倫理は古くからある課題であるし、各学会等が行動規範を定めており、適正な研究活動が行われるようなスキームは現在では概ね整っているといえる。
だが実際には今回も問題が起きてしまっているようだ。

単に研究倫理の行動規範を定めるだけでなく、もう少し根本的な方策を考えなければいけない状況になっているのではないだろうか。

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