2011/04/12

大震災から一ヶ月

東日本大震災から一ヶ月たって、その被害の全容が次第に明らかになってきている。
ただし分かってきたのは直接的被害だけであって、中期的・長期的な影響がどのくらい大きいものになるのか、まだ誰にも予測できない。

中長期的な影響については、小さめな見積もりと非常に大きい見積もりがある。

小さめの見積もりでは、経済成長率にせいぜい2、3%の押し下げ圧力がかかる。被災地の復興は、阪神大震災よりは時間がかかるだろうが、順調に進む。

深刻な見積もりでは、次のようなことが起こる。
・電力供給の問題で、半導体・自動車をはじめ生産活動が急落する。
・風評被害により、また日本の技術全般に対する不信感により、さらには日本ブランドの失墜により、輸出が止まる。
・国内の企業が海外に出て行き、日本経済が崩壊する。

大きな影響を見込む論者には、文化的にも、価値観の大転換を予測したり、あるいは期待したりする者も多い。

私はといえば、大きめの見積もりを非現実的だとは思わないが、実際に起きることは、両極端の中間くらいではないかと考えている。

日本全体にとっての歴史的インパクトとしては、長期的に見るならばおそらく冷戦崩壊という事象よりも小さいだろう(やや比較の対象が変だが)。

ところで、冷戦崩壊といえば、現在の日本をチェルノブイリ原発事故時のソ連となぞらえて考えることはできないだろうか。
どちらも国勢の長期低落傾向の後、破滅的な災害に見舞われた。
ひょっとしたら、ソ連と同様、これからの日本も国勢が上向くには10年以上かかるかもしれない。

もちろん、最近はやっているこの種の類推はあくまでも遊びの域をでるものではないが。

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