2010/12/18

遺伝子検査ビジネス

本日は非常勤講師の日で、生命倫理について話したが、その中で遺伝子検査について触れた。
遺伝子検査については、最近そのあり方が大きな問題となっている。

中国では数年前から、遺伝子検査のビジネスが非常に盛り上がっていた。
業者に粘膜の組織を送ると、数万円で、かかりやすい病気や体質等について遺伝子検査をもとに通知してくれるようだ。
中国では一人っ子政策のためもあり、子どもに遺伝子検査を受けさせて体質等だけでなく能力的な適性についても検査することがはやっているという。

日本でも、この遺伝子検査ビジネスが急速に伸びている。
だが、その信頼性には問題が多い。また、遺伝子の情報は「究極の個人情報」であるため、その取り扱いにきわめて慎重さが求められる。このため、日本人類遺伝学会は最近声明を出して、法整備などの必要性を訴えた。
http://jshg.jp/news/data/Statement_101029_DTC.pdf

遺伝子検査が、全く信頼性がなく、科学的根拠に基づいていないというわけではない。このビジネスを行う大阪大学医学部発のベンチャー企業もある。
http://www.signpostcorp.com/

とにかくこの分野は速いスピードで動いているようなので、政府にも素早い対応が求められるが、遺伝子検査の有用性・信頼性についてはそう簡単に結論がでるものでもなさそうだ。この問題はこれから激しい社会的議論を巻き起こす可能性がある。

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