2010/12/21

25兆円の投資目標

先週15日に開かれた総合科学技術会議基本政策専門調査会で、第4期科学技術基本計画の原案となる「科学技術に関する基本政策について」がファイナライズされた。

この原案に軽微な修正が加えられた上で、来年3月、第4期科学技術基本計画が決定されることになる。

今回の基本計画で最重要のポイントは、重点推進4分野への「戦略的重点化」の廃止と、「課題達成型」研究開発の重視及びそのための体制整備である。

だが、報道をみると、プレスが着目したのは、やはり政府研究開発投資の額であった。5年間の計画期間中に25兆円の予算を確保するという点である。

だが、常識的に考えれば、この記述はほとんど意味をもたない。財務省がこの25兆円という数字を気にする必要が全くないからだ。
なぜなら、第2期基本計画において24兆円の投資目標を掲げたのに実績は21.1兆円にとどまり、第3期基本計画では25兆円の目標に対し実績は21.7兆円であった。もはや基本計画に掲げられた数字は数値目標としての意味をほとんど失っている。


上のグラフをみても明確なように、日本の科学技術予算はもはや完全に勢いを失っている。予算を効果的に使う戦略が求められているが、なかなか良案がないのが日本の科学技術政策の実情だ。

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