2013/11/17

昨日は、日本機械学会のセミナー「宇宙開発におけるシステムズエンジニアリング」で講演の一つを担当した。


日本機械学会の宇宙工学部門のセミナーだけあって、高度な質問が続いた。1990年代のNASAのFaster, Better, Cheaperアプローチの時代背景に関する質問などが印象に残る。

このセミナーで最もよかったと思ったのは、全体の構成である。
最初が歴史的な背景、次が科学衛星のシステムズエンジニアリング、最後が宇宙ステーション補給機「こうのとり」のシステムズエンジニアリングについての講演であった。
私にとっては、最近のシステムズエンジニアリングの状況について、実際に技術開発を経験した方々からお話をうかがえたのが非常に大きな収穫だった。

特に、国際宇宙ステーションの建設においてはシステム全体を理解している人がおらず非常に分散的な開発体制になっているということ、最近のシステムズエンジニアリングでは「システムの最適化」という概念が薄らいでいること、等のポイントが重要であると感じた。
これらのポイントについては、今後じっくり調べ、考えていきたい。

システムズエンジニアリングの時代による変容を明らかにすることは、間違いなく非常に興味深いテーマである。
それは、戦後の科学技術の歴史の全体的趨勢の重要な一側面を明らかにすると思うからだ。

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