2011/01/17

「歴史」の時間的距離

最近、2001年の中央省庁再編の歴史的経緯について調べている。
行政改革会議による議論が1996年に始まり、それから省庁再編が実現するまでの時期を中心に、当時の考え方などを整理している。

この時期の出来事を「歴史」と呼ぶことについては、ためらうところがある。ほんの10~15年前のことだからだ。

以前、NASAのアポロ計画等を調べていたときがあったが、そのときはアポロ計画は完全に「歴史」だと感じていた。
人によって見方は分かれるかもしれないが、世界的には宇宙開発史という分野は完全に確立している。

では「歴史」とそうでないものとの境目はどの辺りにあるのだろうか。
「一概にはいえない」「年数で分けられるものではない」という答えが一般的かもしれないが、あえて言えば、私は20~30年程度だと考えている。

1980年代の出来事というのは、明らかに時代が違う気がする。
冷戦構造の崩壊やバブル経済の崩壊という重大な変化があったからかもしれない。
だが、一般的に、人間にとって20~30年離れた二つの時間は同じ時間的地平の上に乗らないような気がする。
20~30年以上離れた過去の事象に対しては、人間は十分な時間的距離をもって歴史記述できるのだ。

そうだとすれば、2001年の中央省庁再編も、2020年代には「歴史」になる。
その頃には、世界もまた大きく変わっていることだろう。

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